道の駅庄和(埼玉県春日部市上柳)の春巻き店「包工房」が12月1日、1周年を迎えた。
サービス業などをしていた大村芳美さんが、夫や家族の勧めで開いた同店。地産地消を意識し、春日部産の野菜や食材を春巻きで包む「春日部巻き」をメインに提供している。名称は、春巻きと春日部をかけて付けた。
開業のヒントは家庭の食事からだと言う。10年ほど前に夫が腎臓病を患い、食事制限しなければならなくなった。大村さんは「外食すると多く食べてしまうので外食には行かず、料理は得意ではなかったものの加工食品などを使わないで、塩分を少なめにして香辛料などを使うなど工夫して料理した。あまり量も食べられないので、少しでも楽しく食べられるようにと、変わり種の春巻きや夫の好物のギョーザなどを作って出していた」と振り返る。
食卓に出した時に一見して何が入っているのか分からないため、「これは何?」などと話しながら食べられ、笑顔や会話も増えたという。大村さんは「安心してパクパク食べてほしい。これ以上ひどくならないようにと思い料理している。夫はいつもポジティブでいてくれる」と笑顔を見せる。
店を持つことは初めてだったが、家族の勧めや、「こんな経験もしてみたら?」と夫も後押ししてくれたことから、昨年9月に店を開くことを決めた。「勢いで開業した。1年持つと思っていなかった」と心情を明かす。
メニューは、春日部巻きで一番人気の「ベーコンチーズ」(200円)、バターで炒めたニンニク3つとベーコンを挟んだ「ニンニク大王」(250円)、煮ウズラと鶏の照り焼きの「おさななじみ」(250円)、野菜か肉を選べる「揚げぎょうざ」(100円)など。
「少しでも楽しんでもらえるようにと、メニューには面白い名前を付けている。お客さんとの触れ合いや、自分が作ったものを皆さんが食べて、ツイッターなどにあげてくれたり、おいしかったという言葉を頂けたりするとうれしい。新しいメニューを考えるのは楽しいので、週に一品くらいは旬のものを使い、新メニューを提供している。より多くの方に揚げたて熱々の春日部巻きを食べて頂けたら」と力を込める。
営業時間は10時~16時。月曜定休。