春日部駅から首都圏外郭放水路(春日部市上金崎)への無料巡回バスの運行が12月1日から、期間限定で始まった。
中川・倉松川・大落古利根川などの増水した水を江戸川に流し、洪水を防ぐ防災施設「首都圏外郭放水路」(通称=地下神殿)。2018(平成30)年8月、防災施設としては日本で初めて、民間会社の東武トップツアーズが見学会を開始。新たな見学コースを設定するなどインフラツーリズムに力を入れている。
同施設は、観光地としてのみならず映画やドラマのロケ地としても人気があるものの、最寄りの春日部駅からは車で約20分かかるなど、公共交通機関のアクセスに課題があった。
春日部市観光振興課課長の添田智則さんは「駅から当施設行きのバスが出ていなかったため、見学会への問い合わせ時に『見学したいが車がないと行けないので行きづらい』などの声があった。今回、首都圏外郭放水路利活用協議会や、東武トップツアーズ、東武鉄道の協力の下、観光庁の既存観光拠点再生・高付加価値推進事業(交通連携型)補助金を活用し、二次交通整備に資する実証実験として、無料の巡回バスや無料のモニターツアーを行うことにした」と話す。
無料巡回バスは朝日自動車(東京都墨田区)が運行する。春日部駅東口発着で道の駅「庄和」と同施設を巡回し、一部日程を除き来年1月31日まで毎日運行する。
モニターツアーは、個人型プラン、団体型プランがある。どちらのプランも、「首都圏外郭放水路地下神殿コース」が無料で、東武スカイツリーラインの浅草駅~東武動物公園駅間・と東武アーバンパークラインの全線が利用日のみフリーパスになる東武鉄道企画乗車券、春日部市内の対象店舗利用優待券がセットとなる。
添田さんは「無料の東武鉄道乗車券があるので、東武線沿線の周辺地域にお住まいの方にも、ちょっとしたお出掛け気分で地下神殿の魅力に触れてもらえれば」と話す。
個人型ツアーは12月1日10時から、団体型ツアーは7日10時から予約を受け付ける。先着順。