貸農園「船渡市民農園」(越谷市船渡)がオープンして1カ月がたった。
8600平方メートルの敷地に、10平方メートルの貸農園が311区画ある同農園。水道やトイレ、屋根付きの休憩所も備える。
オーナーは不動産業を営む田中聡さん。3年ほど前に同地の所有者と知り合った。田中さんは「10年前に竜巻で住居が崩壊し、放置されて竹林になっていた土地。買い手がなかなか見つからない状況を知った」と振り返る。
同地の隣では農家の松島篤志さんが野菜の自然栽培をしていることから、田中さんは栽培された野菜を食べる機会があった。田中さんは「野菜は好きではないが、採れたてを食べてみたらおいしかったので感動した。松島さんの農法を広め、応援したいという気持ちと、ここが昔は畑や田んぼだったことから、松島さんを農園アドバイザーとする貸農園にすることを思い付いた」と話す。
田中さんは同土地を購入し、整地したり小屋を作ったりと、現在も整備を進めている。貸農園料金は1区画1カ月=6,500円。スコップやくわ、耕運機などの農機具の使用は無料。農園アドバイザーを務める松島さんの月4回の相談会に参加できる。
田中さんは「絆がこの畑のテーマの一つでもある。畑で野菜を育てるという、普段やらないことを家族で一緒にすることで、家族のつながりがうまくいったり、土に触れることでストレス発散や心のメンテナンスにも役立ったりするのではないか。ゆくゆくは借主が使える芝生のドックランやバーベキューができるウッドデッキも作る予定」とも。