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春日部在住カメラマンが定額制農園 コロナで変わるライフスタイル

耕運機で耕す梶直輝さん

耕運機で耕す梶直輝さん

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 春日部市在住のフリーカメラマン梶直輝さんが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から市内で定額制農園を始めた。

友人と共に小屋を建てる梶さん(左)

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 春日部市で育った梶さんは現在29歳。大学卒業後は金融機関で働いていた。「社会人になっていろいろな人たちと会い、地域によって様々な仕事があることが分かった。日本全国を回ることでいろいろな仕事や人の人生に触れて自分の可能性を広げたいと思い、2年で金融機関を辞め、7カ月掛けて自転車で日本一周した」と振り返る。

 カメラで写真を撮りながら一周していたことから、フリーランスカメラマンに。「2015年に日本一周した後、4年掛けて再度47都道府県を回った。その後、春日部だけではなく、九州・東北などでも仕事をしていたが、コロナの影響で1カ月以上の仕事が無くなった。畑でもやろうかなと軽い冗談のつもりで、SNSでつぶやいたところ、畑ならいつでも貸せると言われたことからこの企画を思いついた」と話す。

 「1年ほど前からみそ作りや酵素シロップ作りなど、体のために食生活を見直していた。スーパーで買うよりも、農家から直接買うこと、さらには自分で作ることでおいしさも変わってくると思う。今は、今までのようにいろいろなところに移動して仕事をすることができない。この状況はまだ続くかもしれない、いろいろなものがオフラインからオンラインに変わるけど、畑をやることはオンラインにはならない」と梶さん。

 新型コロナウイルス感染症が落ち着いたら、また多拠点で仕事をする予定。自分が畑を見ることができない時でも、誰かが見てくれるようなシステムは何かと考えた。畑に興味がある参加者を募り、定額制にして一緒に農業を一から学び、作物の成長過程を楽しみ、取れたての野菜を食べるなど、サードプレイスを目指す。

 「皆で一緒に畑を作る。農作業を通して生きる力を身に付け、作業する場所としてだけではなく多世代・市内外からの人や、さまざまな業種の交流のコミュニティーができる第三の居場所、サードプレイスにしたい。失敗することも多いと思うので、その失敗から学ぶことや変化に柔軟に対応できる人たちと一緒にできれば」と梶さん。

 4月26日に、借りた140坪ほどの畑を市内に住む友人と共に耕し始めた。耕運機が使えず、隣の畑の人が助けてくれる場面も。「地元の人に農業を教えてもらったり、こちらが手伝いをしたりすることもあると思う。畑同士の付き合いができると思う。このようなコミュニティーを大切にしたい。今は、不特定多数の人が出入りするよりは、コミュニケーションを取りやすい人数で始めていきたい。ゆくゆくは、つながりのある人に、春日部市外からも来てもらい、多世代、多拠点の人が来て気軽に畑を作ることができれば」と笑顔を見せる。

 現在でも20人近くから問い合わせがある。農機具を収納するための小屋を建てるなど、農園作りは進んでいると言う。

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