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春日部の居酒屋「あおつ」が閉店へ 常連客に支えられた24年の歴史に幕

店主の青津陽一さん

店主の青津陽一さん

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 春日部の居酒屋「家庭料理 居酒屋 あおつ」(春日部市中央1)が9月30日で閉店する。

ちょうちんが目印の「家庭料理 居酒屋あおつ」

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 1998(平成10)年12月にオープンし、刺し身や焼き魚、ギョーザをはじめとした家庭料理やちゃんこ鍋を提供する同店。

 店主の青津陽一さんは企業で経理の仕事をしていたが、56歳で退職。料理を作ることが好きだったことから、退職後に居酒屋を開くことを決めた。青津さんは「素人だったので、ちゃんとしたものが出せるかどうか不安があった」と当時を振り返る。

 青津さんは和食店やちゃんこ料理店で修業した後に店を開き、調理を担当。開店当初、妻の品子さんが接客を担当していた。青津さんは「開店当初からお客さんは途切れることなく来てくれた。開店してすぐの頃は、料理の提供などにあたふたしていた。手際が良くなかったのでお待たせすることもあったが、お客さん同士で会話して待っていてくれて、文句も言わずに食べてくれた」と振り返る。

 開店してから2~3年たったころから、常連客がボーリング大会やゴルフ大会、旅行などを企画。多くの常連客が参加し、コロナ禍になるまで続いていた。「お客さんが企画から何から全てやってくれていて、うれしかった。楽しい思い出として残っている」と青津さん。

 閉店は春日部駅の高架化工事に伴い、入居ビル立ち退きのため。青津さんは「この場所でもう少し続けたかったが、80歳という自分の年齢のこともあり、移転せず店を閉めることを決めた。お客さんには、電話や来店時に閉店を伝えている。『行くところがなくなる』などの言葉をもらっている」という。

 同店は現在9割が常連客。閉店を知った常連客が連日店を訪れ、営業最終日まで予約でほぼ埋まっているという。女性常連客の一人は「ほかの常連さんたちの雰囲気が良かったことや、マスターの優しくて真面目な人柄に引かれてよく来ていた。一人でも来やすく、自分にとっての居場所だった。閉店するのは寂しい」と話す。

 青津さんは「当店は料理がおいしいなどというよりも、つながりが強い店。お客さんに支えられて続けてこられたし、妻の支えも大きかった。私が病気になって休業したこともあったが、店があることで健康に気を付けるなど生活にハリが出て、気持ちの面でも糧となっていた。お客さんには言葉では言い表せないような申し訳ない気持ちもあるが、今は感謝の気持ちでいっぱい」と笑顔を見せる。

 営業時間は17時~23時。

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