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春日部の靴店、製靴から始まり100周年 50年来の常連客も

(左から)長岡紀子さん、母の森泉恵子さん

(左から)長岡紀子さん、母の森泉恵子さん

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 婦人雑貨や靴を販売する「もりいずみ靴店」(春日部市粕壁1、TEL 048-752-2557)が10月11日、創業100周年を迎えた。

1950~1960年代のもりいずみ靴店

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 春日部駅東口改札から徒歩約2分の場所に位置する同店。1922(大正11)年、小林善太郎さんが粕壁2丁目付近で製靴店を創業。1938(昭和13)年に現在の場所に移転した。

 3代目店主の長岡紀子さんは「祖父は東京で生まれ、現在の上野のアメ横周辺の靴店で修業したと聞いている。その後、春日部在住だった祖母と結婚し婿に入った」と話す。

 小林さんは客の足の寸法を測り、デザインなどの要望を聞き製造。現在の場所に店を開いてからは店内の工房で一日中靴を作っていた。長岡さんは「祖父はたばこを口から離さない人だったので、たばこをくわえながら靴を作っていた。祖母は店内で地下足袋や学生靴など一通りの靴製品を販売していた」と話す。

 1960年代、春日部駅東口駅前周辺に買い物に訪れる人が多く、店は繁盛していたという。1972(昭和47)年に小林さんが亡くなったことから製靴をやめ、販売アイテムを減らした。1970年代後半には市内に競合店が出来始め、客数が減少。その頃は長岡さんの母の森泉恵子さんが1人で店頭に立ち、仕入れた靴や手製のバッグを販売していた。

 1996(平成8年)ごろから店で働き始めた長岡さんは「東京で働いていたものの、母が大変そうだったことと、自分が外反母趾(ぼし)でもあることから足や靴に関していろいろなことを学び、シューフィッターの資格も取得して、店で働くことにした」と振り返る。ターゲットを女性に絞り、靴や服、バッグ、ウオーキングシューズも取り扱い始めたことから再び客数は増えたという。現在の人気商品は、ウオーキングシューズやチュニック。

 長岡さんは「顔なじみのお客さまが多く、中には50年くらい来ている人もいる。いつの間にか100周年を迎えたような気持ちだが、お客さまに支えられていると感じ、とても感謝している。これからも、お客さまがより良い毎日を送れるような、すてきな服や体にいい靴を提案できるように頑張っていきたい」と意気込む。

 営業時間は9時30分~18時30分。日曜定休。

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